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14.ポップサーカス 【7】
「つうかお前、知ってんの?」
「え?あ─…選挙?」
「そ」
隣に腰を下ろしてきた峰くん、壁の硬さを背に感じながら並んで床に座ってポツリポツリと会話を始める。
「峰くん、どっち入れんの?」
「はあ?それを聞くのかお前」
知らない奴はいないって程に全校生徒は会長選挙の話題で持ち切りなだけあって、峰木も当然の如く知っていた。
答えなんて分かっていたけど、あえて投げ掛けてみた質問にあからさまに嫌な顔をされて。
「なにがあろうが、俺の一票は会長様にくれてやるよ」
当然のこと聞くんじゃねえ!!なんて痛烈な視線を浴びせかけられながらも、溜息吐きつつもちゃんと答えてくれる峰くん。
「お前も当然、そうだよな?」
「そりゃそうだろ!つか那月に入れる奴とかいんの?」
問い返された言葉に力強く頷いて、響ちゃん同様峰くんにも投げかけてみた疑問。
「…心からアイツに票入れてやろうなんて思う奴は極僅かいるかいないかのもんだろうけど」
「…」
「陰でアイツに加担してる奴らが、脅しでもなんでもしながら票増やそうとしてるみてえで」
「マジかよっ…」
なにげに情報を色々と持っていた峰木の言葉に驚きつつ、響ちゃんたちが言ってた通りのことが現実にもう起こり始めていたことに憤りが込み上げてくる。
「生徒会や、篤ッ…他の委員の奴らも目え光らせてるみてえだけど。あんま大したことは出来てねえみてえだな」
「報復とかされっから?」
「そんなとこじゃねえの?だから、下手なマネ出来ねえってとこだな」
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