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15.ポップサーカス 【7】
でもよ、それじゃ無意味じゃん。
どうにも出来ねえんじゃ、なにもやってないのと変わんねえ。
それじゃどんどん被害が広がって、嘘偽りだらけの選挙になっちゃうじゃん。
「で、お前こんなとこでなにやってんの?」
「…え?」
俺なら取り巻きだろうがなんだろうがブッ飛ばせる。
だけど、俺のとった行動がアイツを助けることへと繋がるのか?
【不安要素】
廣瀬に言われたことが、脳内をぐるぐる回る。
「会長と仲いい割に、意外とお前って薄情?」
「なっ!違ぇよ!!俺はッ…!」
体ごと俺へと向けてきた峰木、その視線から逃れたいのにしっかりと捕らわれたままで。
言いかけた言葉、だけど続きが出て来ない。
「アイツら、放課後を狙ってるみたいだぜ」
「放課後…」
何も言えなくなった俺を暫く無言のまま見守って、静けさの漂う空気を再び打ち破る。
「ごめん峰くん…ありがとな!!」
「は?なにが」
本格的に勝負に出るのは放課後、教師の監視下から解放されて気の緩んでるところを一気に叩いてくるんだろう。
んなことさせねんだよッ…!!!!!
「っしゃぁ!!俺はやるぜ──ッ!!!!!」
「はあ?て、おい!!…なんなんだアイツは…」
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