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16.ポップサーカス 【7】

だから俺は、じっとしてらんねえタイプなんだよ。 距離を置いてくれ、そう言われたからって大人しく批土岐から離れていく俺じゃねえ。 なんでお前にそんな事言われなきゃならねんだよ。 分かるか!!聞けるか!! 聞いてたまっかよ!!! 「じゃ、また明日ね~」 「うん!ばいばーい!」 峰くんと別れた後、と言うかテンション上がった俺が一方的に駆け出してきちゃったわけなんだけど。 とりあえず、当然のことながら授業は綺麗にサボって待ち望んだ放課後になり今に至る。 部活に励む奴、話し込む奴、とっとと帰る奴と様々な行動で溢れ返るこの校舎で俺は、もうこうなったら最後に頼るのは野性の勘しかねえ!!とばかりに適当にあちこちをウロつき歩く。 俺はただ遠くから静かにずっと行く末を眺めてるだけ、別にそう思われてたっていい。 なにもしないで終わるのだけは、嫌なんだよ。 「で、どうすんの~?」 「ここはやっぱさあ、票いれといたほうがいんじゃね?」 考えもナシ、とにかく現場を押さえてシメ上げる!!と思いながら廊下を歩いていた時、どこからともなく聞こえてきたあからさまになにかよからぬことを考えている声にピクッと耳が反応する。 「…アレか」 階下のほうからする声に、忍び足で階段を降りて行きながら視線の先に早速獲物を発見する。 人気のない踊り場で一対三、もちろん人数の多いほうが悪い奴らだぜ。 「なんでも知ってるんだぜ~?バラされたくなかったら……分かってるよな?」 「ッ…」 悪役っつうもんは、いつの時代も同じだな。 脅して力でねじ伏せて……… 「なあにしてんのかな?」 「「!!?」」 ホンットくだんねえ。 背後に忍び寄り、唐突に声を掛けたら案の定な反応を返されて。 一瞬言葉も出ないといった感じで一斉に振り向かれ、順々に顔を眺めていきながら笑う。

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