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18.ポップサーカス 【7】

「ははは!!会長は票数を稼ぐ為に裏で不良を動かしている!激写!!!」 「なッ…!!テメエ!!!!!」 辺りに響いたシャッター音に反射的に振り向いて見れば、階段の中腹から携帯を片手に新たな野郎が立っていて。 愉快そうに笑うその姿に、なにをされたのか頭が理解した時に一気になにかが弾け飛んだ。 「マジでクズだなテメエら!!!」 最初からこういう展開に持ち込もうと、見えないところでチャンスを狙われていたらしい。 嘲る笑いに掴みかかって拳を握る。 「いいのか─?別に殴ったって構わねえけど~選挙控えてるしい?」 「会長さんへの信用もガタ落ちしちゃうかもね~?」 「……ッ!!!」 殴りてえ、ボコッてやりてえッ…!! けど、んなことしたらッ…… 「くっそ…!!!」 ドンッ!!と胸倉引っ掴んでいた奴を突き放して、頂点に達した怒りと共に携帯を手にしていた新手に向き直る。 「はは!もっと笑って笑って~」 「テメエぶちのめす!!!!!」 反吐が出る程に苛つく笑顔を向けられ、駆け上がって行くその姿を逃してたまるかとばかりに後を追いかけていった。

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