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23.ポップサーカス 【7】

しんと静まり返る教室の中で、独りとり残された俺の脳内は真っ白だ。 「……ッんだよ」 言うだけ言って出て行きやがった奴を、ただ見送ることしか出来なかった。 言い返してやりたいことは沢山あった、どれもこれも納得いかねえ好き勝手言いやがってアイツ許さねえ。 「結局……俺には、なんも出来ねえのかよ……」 拳を握り締め、声を震わせながらやり場のないこの憤りをどうしたらいいのかと混乱の一途を辿る。 腹が立つけど、言われた言葉にもしかしてその通りなのか?なんて心のどこかで考えてしまっている俺も居て。 ワケ分かんねえ、もう…分かんねえよ。 なにかしてやりたいと思う俺の気持ちは、批土岐にとっては重荷にしかならない。 だからって、一人で全部しょいこんで頑張ってるアイツを見てるだけなんて出来ねえじゃんかよ。 「いるだけで邪魔じゃ、俺にはなんも出来ねえよなあ…ははっ」 自嘲気味に笑いながら、ポツリとそう呟いて。 なんなんだよ、じゃあ俺にどうしろっつうんだよ。 一緒に居たら迷惑なんだろ?じゃあただ離れときゃいいわけ?別れろっつーの?でも俺はちょっとでもいいからアイツになんかしてやりてえよ。邪魔だろうとなんだろうと黙って見てることなんて俺には出来ねえじゃん?でもそうすると重荷になる、逆にアイツを不利な立場に追い込むことになる、こんなナリした俺が側に居ることでアイツに対する信用が下がってしまう。 「…ッかんねえよ…」 考えること嫌いだ、悩むなんて俺らしくもない。 思考を巡らせたところでなんのアイデアも浮かばず、戻って来れない泥沼へとハマッていくだけ。 やればやる程ワケが分からなくなる、イライラする、どうにも出来ない自分の無力さ無能さに腹が立つ。 「分かるかよ!!!じゃあ俺はどうしてりゃいんだよ!!!クソッ!!!ふざけんじゃねえ!!!!!!」 ガタアンッッ 側にあった席を思い切り蹴っては、手近に置いてあった椅子を投げ倒す。 辺りには派手な物音が舞い、無残にも乱れる机や椅子。 「はあっ、ハッ…」 荒れ果てた室内で息を途切れさせながら、ふと視線を向けた先には。 「…ッ、テメエなんか見たくもねえんだよ…っ」 窓に映る、自分の姿。

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