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27.ポップサーカス 【7】
「それ以上そんな情けねえ面見せやがったら、ブッ倒す」
「…ッ!?ひ、響ちゃ~~ん!!!!好きだあァ──っ!!!」
「うおっ!なんだテメエ!!ひっつくな!!」
首を傾げる俺に言った響ちゃんの言葉はやっぱり予想外で、もう………
鼻水ついたらごめんね!!!!!
「やめろ!寄んな!けがれる!」
「響ちゃ~ん!!俺の為に有難う!!その愛、俺しっかり受け止めたから!」
「なんの話だっっ!!!」
――マジ、ありがと響ちゃん。
「俺…やめねえから」
「…?」
嫌がる響ちゃんにじゃれつきながら、ピタッと突然真面目に口を開いて。
話し掛けるようでいて、実のところは自分に言い聞かせてたのかもしんねえけど。
「へへっ…いーこと考えたんだよね」
「気持ちわりいな」
「ひでえ!!」
ボソッと呟く響ちゃんに大袈裟なリアクションをしつつ、心に決めた俺の一世一代のイベントごと。
「明日絶対出てな!!?」
「お…おう」
ズズイと迫る俺に驚いたのか、戸惑いつつもついつい素直に頷いてしまった響ちゃん。
「見てろよコラァ!!俺はやるぜえ!!!」
「……」
「ほら!響ちゃん!オーッ!て言わなきゃ!」
「なんで俺がっ…」
「オラオラオラオラ犯しちゃうぜ響ちゃん!はい!オーッ!!!」
「……おー」
「棒読みだなあ~もっと熱く!」
「付き合ってらんねー」
「もう響ちゃん好き好きぃ─っ」
「キモい」
「マジひでえ!!!」
なに言われたってやっぱ、俺はじっとなんかしてらんねえよ。
大体、そんな言葉で俺を止められるんならなー・・・
俺、もっと真面目な人生送ってたから。
自己満足に見えてたって、俺のしていることが空回りでも。
それが精一杯なんだよ、アイツが批土岐のことを想っている気持ちになんか負けねえ。負けたくねえ。
俺は、俺の思う侭に生きんだよ。
お陰様で、そう自分を奮い立たせることが出来たから。
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