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33.ポップサーカス 【7】

「関係ないな」 「ひとっ…んっ!」 薄暗い器具室で、それでも薄く漏れ入る光が批土岐を微かに照らして。 考えの読めないその表情、依然腕を掴まれたままの状態で低音の声は囁く。 「はっ、んっ…!」 「ここまでされて、冷静でいられるわけないだろ」 言ってすぐ落とされた唇、口内へと割って入ってきた舌は激しく俺を貪る。 息継ぎすらもままならなくて、飲み込みきれなかった唾液が口端を伝い落ちていきながらも構わず続けられて。 チュ、チュクッと唾液の混ざる音と荒い息遣いが響き渡って。 「批土岐…」 普段の余裕のある物腰の柔らかな批土岐からは一線を引いて、目の前に居る姿はどこか切羽詰まっているように見えて。 ここまできて、やっと俺が批土岐を翻弄出来るとこまでいったか!!と意味もなく勝利の余韻に浸る反面。 「よーしよし、いい子だな批土岐~」 「京灯…?」 誰も見たことなんかないだろう余裕のない批土岐を前に、なんかどうしようもねえ位に可愛いなあコイツなんて思っちゃって。 訝しむ批土岐の頭を撫でながら、フッと笑ってその手をするりと唇へと滑らせる。 「いいぜ…好きにしろよ…」 「…?」 批土岐の口へと軽く触れてから、力無く手をマットへと着地させる。 すでに熱を含み始めていた声で、批土岐のことをじっと見つめて。 「愁ッ……、めちゃめちゃにして?」 「…ッ!」 それを合図に、批土岐が再び覆い被さってきた。

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