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34.ポップサーカス 【7】

「あっ…、ん」 熱を含む甘ったるい吐息を繰り返しながら、自身へと指を這わせる批土岐の行為に敏感に反応していた。 すでに溢れ始めていた蜜は、大して広くもない倉庫内へとやらしく響く。 「本当に、めちゃくちゃだね…ココ」 「あッ…!は、ずっ…から、ゆ…うなッ…ん」 相変わらずな場所の特殊さもあってか、みっともなくダラダラと止められない先走りは自身を伝い落ちていくばかりで。 わざとらしく音を出しながら言葉を口にして、それだけでまたどうしようもない位に煽られてしまう。 「腰、揺れてるよ。そんなに気持ち良くてたまらない?」 「あッ、はっ…ん」 知らず知らずの内にもっと快感を求めて勝手気ままに動き出していたらしい俺の腰、批土岐の手の動きに合わせて自分がもっと気持ち良くなれるようにと本能が察知しての行動。 有り得ねえ位、恥ずかしいことしちゃってんのは分かってる。 けど、仕方ねえじゃん。 俺、欲に忠実に生きちゃってんだもん。 「はッ、あっ…い…いいっ…あっ、しゅ…ぁっ」 もうさ、批土岐に散々なまでに開発されちゃってる俺すから。 「さっきとは、随分違うんだね」 「…ッ、あっ!」 こんな状態で更に批土岐と目を合わせることなんて出来なくて、甘い痺れに酔いしれながら瞼を下ろしていた。 「同一人物とはとても思えないな」 「んッ…!あっ、いい…じゃ、ねっ…かよォっ…だって…」 そこへ唐突に耳元で艶やかに囁かれ、高ぶりを増す興奮は自身をより過敏にしていくだけで。 煽ることにしかならないその言葉と声、熱っぽく潤んだ瞳を向けて、言葉を途切れさせながらも見事に開き直ってみる。 「んっ…感じ、ねっ…より、ァッ…い、だろォ…っあッ!」 緩く扱かれながら、徐々に絶頂へと昇りつめる狭間で。 胸の突起を摘んできたかと思えば、そこから脇腹を滑り落ちてくる指先にビクりと体が跳ねる。 「どうして、あんな事したんだ?」 「はっ、ぁ…そ、れはッ…」 ろくに言葉も綴れない状況で、それでも解れる思考を必死にかき集めながら批土岐の問いになんとか答えようとする。 なにも出来ねえ自分は嫌だったんだよ。 「俺ッ……ん、にも出来ねえのは……やだったからッ…」 「うん」 追い上げられながらもなんとか言葉を紡いで、正直な自分の気持ちを批土岐に打ち明けていく。 こんなワケ分かんねえ位にテンション高くなっちゃってる今だから、唇から飛び出していくのは全て紛れもなく本音で。

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