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36.ポップサーカス 【7】

その後の展開と言えば、当たり前だけど圧倒的な支持で再び会長の座を勝ち取った批土岐様なわけで。 流石だな!!なんて思いつつも俺があんなことしでかしたが為に、負け選挙とかになったらどうしようッ!!なんて、後々考えてみると凄いギャンブラー的な行動をしたよな…なんて冷や汗浮かべた瞬間もありつつ。 結果が出て以来、学校へと来なくなった那月をやっぱり少しは気にしつつも、今はそっとしておいたほうがいいっていう批土岐の言葉に素直に頷いて… 「あのさー、そろそろ…そろそろもういいんじゃねえ?」 副会長の廣瀬には、やっぱり少し悪いことしたかな…とはもちろん思ったけど、あの時を境に未だに接触のない日々が過ぎ去っていて。 色々と考えるところがあってあえてそうしているのかもしんねえから、俺は受け入れ態勢バッチリのままにこのままいつも通りに過ごそうと思う。 けど、何か言ってきたら・・・ 今度はもうちょい、自分の気持ちを素直に喋れるように。 あれだな、国語の勉強しといたほうがいいな。 「はは!わりいな~、物凄い気に入ったみたいでなかなか」 そう考える思考と同時に、目の前で繰り広げられている現状に俺はなんとも言えない気分のままに視線を向けて。 呑気に笑う慶史、だけど注目するべき所は今ソコじゃねえ・・・ 「響ちゃーん!!ひでえよそこまで俺変だったー!!?」 俺に背を向け、ひたすら肩を震わせているその姿にガックリと肩を落とすしかない。 あの演説以降、彼はもうずっとまともに俺と目も合わせないし会話なんてもってのほか。 「相当、ツボにハマッちゃったらしいな」 「嬉しいような悲しいような…なんかすっげえ複雑」 そんなに真面目気取りな俺は面白かったかい響ちゃん。 笑わせることが出来たのはすっげえ嬉しい、それはもう投げチューでもしてやりたい位に。 けど、素直に喜べないのは何故だ・・・ 「も、お前あっち行けッ…腹苦しいッ…」 「ひでえ!!!」 突然優等生になんか、なるもんじゃねえや。 やっぱ、いつも通りなこの俺が…一番落ち着く。 【END】

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