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第155話
アルフレッドside
仲直り、していたはずだよな。
そう思ったのは、レヴァンが暗い顔で一人、俺たちの部屋に来たからだ。
ジークは困った様に俺を見ているけれど、俺もどうしたらいいかわからないまま、レヴァンとジークを抱き上げ、庭に出た。
とりあえず、太陽の光に当たれば曇ってる心も少しは晴れると思ったから。
「レヴァン、見て!紫の花!綺麗だよ!」
「そうだね」
「······どうしたの?昼寝する?太陽当たって気持ちいいよ?」
ジークの提案に首を振ったレヴァンは、ジークの髪を撫でて顔を近付ける。···おい、何をしてるんだ。
「レヴァン、近いぞ」
「······寂しい」
「仲直りしたんじゃないのか。ルシウスは?」
「···俺の村に行った。やめてって言ったのに」
「······ああもう、泣くな」
突然、泣き出したレヴァンを抱き上げて、背中を軽く叩く。どうしてこうも、ルシウスとレヴァンの間には問題ばかり起こるのか。
「あっ!アルフレッド様!」
小さな子供の声が聞こえて振り返ると、そこに居たのはゲート。俺がレヴァンを抱いてあやしているのを見て、怪訝そうな顔をする。
「レヴァンさん···?」
「今はそっとしておいてやってくれ。よかったらジークと遊んでやってくれないか?」
「も、もちろんです!」
ゲートをジークに任せ、床に座りレヴァンを膝の上に乗せる。
「レヴァン、何でルシウスはお前の村に?」
「······俺の為らしい。村人達が俺にしてくる事について、辞めさせに行くらしい」
「それが、何で嫌なんだ。」
やめてと言ったということは、嫌なんだろう。けれどその理由がわからない。
「なんか···俺の生きてきた意味がなくなった気がして······」
「生きてきた意味?何だそれ。」
「アルフレッドさんにとってのジークみたいな事。」
「···ああ、成程。」
確かに、俺はもしジークが消えてしまったら、生きる理由がなくなる。
「けどお前は虐げられていたことが生きてきた理由だと言いたいのか?」
「······だって、そうじゃないと生きるのが辛かったから。」
俺やジークと同じ様に、レヴァンにも暗い過去がある。
「母さんと父さんが死んでから、誰も必要としてくれていなかったけど···、何か村に悪いことが起こったら俺を必要とする人が沢山いるんだ。不安の捌け口は俺だったから」
「そんなものはいらない。そんなものに頼らないといけないのなら、それはそいつが腐っているという事だ。わかるか?」
そう問いかけると、俯いて、そうして小さく頷いた。
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