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第163話

「大丈夫です。言葉を伝えただけでも立派でしたよ。」 「る、ルシウスに、怒られる、かなぁ······?」 「怒るはずがありません。もしそうなったら、私がルシウス様にお話します。」 部屋に入ってソファーに降ろされた。 フィオナさんは優しく俺の背中を撫でて、励ましてくれる。 「突然の事で準備もできていなかったのに、二人に会えた事は褒めるべきことです。······それより、疲れたでしょう。甘いものを食べて休憩しましょうか。」 「···いいの?」 「はい。今日のおやつは確か、シフォンケーキですよ。」 「生クリーム、乗ってる······?」 「はい。たっぷり乗せましょう」 フィオナさんがそう言って笑うから、つられたように笑った。 初めはそんなこと無かったけど、今やフィオナさんは俺の相談相手でもあるし、お母さんみたいなところもあって、友達のように感じる時もある。 「フィオナさんも、一緒に食べよ!」 「では、そう致しましょう。」 そんなフィオナさんが、大好きで、そしてルシウスのように頼れる人なんだ。 「用意させるので、少し待っていてください。」 「うん」 フィオナさんが部屋を出て行って1人になる。 さっきの嫌なことは、これから待ってるおやつのおかげで薄れて、早く食べたいなって思いながら、フィオナさんを待った。

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