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第2話

「さっさと歩きなさい!」 「おいフィオナ、そんな乱暴に扱うな」 「ルキアノスは五月蝿いんです!これは人間ですよ!?」 「獣人がそんなに偉いのか?そうやってレヴァンを乱暴に扱うなら俺がこいつの面倒を見よう。レヴァン、こっちにおいで」 邸について箱から降ろされた俺はルキアノスとフィオナに挟まれてオロオロとしているしかなかった。 ルキアノスに腕を掴まれ引っ張られる。引かれるまま連れて行かれたのは風呂場で、そういえばさっきそんなことも言っていたな。と思いながら用意されていた湯船に浸からされた。 「熱くはないか?」 「う、ん」 「髪を洗うぞ」 「はい…」 ルキアノスが優しく髪を洗ってくれて、気持ちよくて眠ってしまいそうになる。 「レヴァン、目を閉じて下を向け」 「んっ!!」 言われた通りにするとお湯が頭からかけられて泡が流れていった。目を手の甲で擦って水を退ける。ルキアノスを見るとケラケラと笑っていて「何だよ…」とちょっと睨んでみた。 「いや、まるで子供のようだなと思ってな」 「俺、まだ17だよ」 「獣人の17はもう立派な大人なんだがな」 体もゴシゴシと洗われてお風呂に入るまでより自分の肌の色が明るくなったのを見て、こんなに汚かったんだ…と少しショックを受けた。 借りた服を着て突っ立ってると髪をワシャワシャと柔らかいタオルで拭かれる。 「髪を乾かしたらルシウス様のところに行くぞ」 「…ルシウス様は、怖いの…?」 「見た目はな」 「ルシウス様は、何の獣人?」 「獅子だ」 顔が青くなっていくのがわかる。 獅子って、あの獅子だよな?ルシウス様を想像すると怖くなってブルリと体が震えた。 「食べられないかなぁ」 「獣人は人を食べないぞ」 「…でも、怖いよ」 「俺も怖いか?」 「ううん、ルキアノスは別」 フィオナさんは怖い。 いつか噛み殺されるんじゃないかって思うくらい。

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