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第4話
「あ、い、今、なんて···?」
「お前を娶ると言った」
「じゅ、獣人が、人間の俺と!?」
「私にとって獣人かそうでないかは関係ない。」
そう言うや否や、唇にキスを落とされる。
驚いて目を見開き、何があったのか頭の中で整理をすると顔がだんだんと熱くなって、そんな俺を見てルシウス様は生えている尻尾を左右に揺らす。
「可愛らしいな。」
「っ、」
「ルキアノス、今すぐ婚姻の儀を挙げる。···ところでフィオナはどうした?」
ルシウス様の腕の中にいるまま、俺は呆然とルシウス様の言葉をゆっくりと拾っていった。
「フィオナはレヴァン様に乱暴な扱いをされましたので俺が代わりを」
「···フィオナがな···後で私から言っておこう。」
少しして気付いたけど、ルキアノスは今俺のことを様付けで呼んだ、よね?確認の意も込めてルキアノスの方を向くとニコリ優しく笑って、ルシウス様と話をしてから部屋を出て行った。
「レヴァン」
「は、い」
「これからは私のことをルシウスと呼べ。夫婦になるのだ、様などつけなくて良い」
そう言われてまたキスをされる。
恥ずかしくなって慌ててルシウス様から離れるとくすくすと楽しそうに笑う。尻尾も揺れてるからきっと俺で遊んでるんだろう。
「め、夫婦になんて、なれません」
「なぜ?」
「だ、だって、無理、だもん」
理由が見つからなくて苦し紛れに出た「無理」それだけの言葉でルシウス様が許してくれるはずもなく、逃げたはずがすぐに距離を縮められ、抱き上げられたかと思うとふわふわなベッドに押し倒された。
「無理なことはない。私はレヴァンを愛す、だからレヴァンも私を愛してくれ」
「んっ···!」
さっきとは違うキス。
ザラザラとしたルシウス様の舌が口内を蹂躙する。
「あ···ぁ、ぅ···っ」
「可愛い···レヴァン···」
「ゃ、ふっ···」
息をするのが苦しくなってきた頃、そっと離れたルシウス様は俺の髪を優しく撫でた。
「さあ、もう少しで儀式が始まる。用意をしよう」
「ぁ···は、い···」
フワフワとする頭ではまともに考えることができなくて、けれど、今、とんでもないことを言ってしまった気がする。
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