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第6話
***
肩をトントンと優しく叩かれる。
薄く目を開けるとルシウスが優しい顔で俺を見ていた。
「そろそろ起きなさい、夕食の時間だ」
「···ルシウス」
「何だ」
「···俺、ルシウスのこと、好き」
ルシウスの尻尾の毛がボワってなった。
それから尻尾が揺れて、面白いなとその動きを見ていると「レヴァン···!」と名前を呼ばれて苦しいくらいに強く抱きしめられた。
「レヴァン、私を煽るな···体を繋げてもいいと決められた日はまだもう少しあるんだ!」
「···そんな決まりあるんだ」
「ああ!あるとも!獣人は婚姻の儀を上げて10日経ってからでないといけないのだ!それなのにお前ときたら···」
それにはあんまり興味がない。
それより今俺が興味を持ったのはルシウスの綺麗な首筋。首の筋肉が綺麗な筋を作っていて、たまらずそこに手を伸ばす。
「っ、レヴァン?」
「綺麗···ルシウスはどこもかしこも綺麗だね」
「──っ!!レヴァン!!」
「わっ!何?」
勢いよく体が離れて驚く。
ルシウスを見ると俺を真っ赤な顔で睨んでいた。
「だから、そういう言葉を今、口にするな!」
「何怒ってるんだよ」
「あと3日···あと少しの我慢だ···」
何かブツブツと呟くルシウス。
そんなルシウスから離れて窓から外を見る。
綺麗な橙色が空を染めていた。
「お腹すいた」
「···夕食に行こう」
手を取られてルシウスに夕食に連れて行かれる。
この部屋で食べれたらいいのに···なんて思わなくもないんだけど、そんなこと言ったらきっとルシウスが困ってしまうから、言わないでおこう。
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