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第21話

「アドナ、すごく可愛かったね」 採寸が終わりアドナが帰った後、少しだけ疲れたなぁとルシウスの膝に向かい合って座る。 「アドナは2年ほどの付き合いだ。あいつはいつでも笑顔な上、聞き上手だからな。話をするのは楽しい」 「···ふふっ、やっぱり」 「何だ?」 笑った俺を訝しげに見たルシウス。 やはり眠たいようで目が少し赤くなってしまっている。 「ルシウスはアドナのことを認めてるんでしょう」 「ああ。それがどうかしたのか?」 「俺もね、ルシウスがアドナのことを認めてるって思ったから、アドナにそう言ったんだ。きっとそうだよって。そしたらすごく喜んでいたから」 「アドナは私が気を許していることに気付いてなかったのか!?」 そこが少しショックだったようで俺の肩に額を当てて「私の顔が怖いのか···?」「いや、態度が冷たかったのだろうか···」とブツブツ呟いていた。 「早くアドナの作った服をみたいなぁ」 「アドナの服はいいぞ、あいつはセンスがいいからな」 「ふふっ、それをアドナに直接言ってあげなよ。きっと今日以上に喜ぶよ」 言葉にしないと伝わらないと言っていたくせに、変なところで恥ずかしがり屋な俺の夫はなかなか言葉にできないらしい。 「レヴァン」 「なぁに?」 「今日の予定はもう全て終わった」 「うん」 「良いか?」 服の裾からルシウスの手が入ってきて素肌を撫でる。突然の感覚に背中が震えて、心臓がうるさくなる。 了承の意味を込めてルシウスの唇にキスを落とした。

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