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第24話
レヴァンから力が抜けたと思えば一気に重くなってレヴァンは動かなくなった。どうやら眠ってしまったようだ。
一度ベッドに寝かせてシーツを体に巻き、風呂場へと向かう。レヴァンを誰かに洗わせるのは許せなくて、眠ってるレヴァンの体を綺麗にしてから一緒に湯船に浸かった。
「可愛い···」
レヴァンの首に唇を寄せきつく吸う。
赤い花が咲いて、それを見ると心が満たされていく。
「私のものだ」
何度もそれを繰り返し首やうなじ、背中や胸にもたくさんの赤が咲いた。
モゾっと動いたレヴァンが薄く目を開けてボーッと前を見ている。状況を理解したのか慌てて振り返って私を惚けた顔で見た。
「まだ寝ていてもいいぞ」
「···ううん、あの、さっきルシウスの背中に爪立てちゃった、ごめんね、痛くない···?」
「ああ、大丈夫だ」
少しピリピリとはするがレヴァンにつけられた傷ならそれさえ愛おしい。
「ルシウスは優しいね」
「私はレヴァンの方が優しいと思うがな」
触れるだけのキスをレヴァンの唇に落とす。
ふふっと笑ったレヴァンは何かに気付いたようで目を見開いて自分の体を見ている。
「こ、これ、ルシウスがつけたの!?」
「ああ、私の他に誰がいるんだ」
「バカじゃないの!?」
体に咲く赤い花に触れては顔を赤く染めて私を睨んだ。
バカとは失礼だな。と思いながらもその姿が可愛くて口角が上がる。
「私のものだという所有印だ。消えたらまたつける」
「こんなにいっぱいはいらないよ!」
「レヴァンは色が白いから赤がよく目立つ」
「そんなの聞いてないし!──もうっ!」
背中を向けて私にもたれかかりながら怒るレヴァン。
手をそっとレヴァンの腹に回し強く抱きしめると「ルシウス···」と小さく名前を呼ばれた。
何だ?と思って顔を覗き込めばゆっくりと何度か瞬きをする。
「眠たい」
「ああ、寝ていていいぞ」
「お風呂から上がったら、一緒に寝よう」
「わかった」
可愛い頼みを断るわけがなく、レヴァンの首筋にまた唇を落とした。
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