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第30話

アドナが帰ってからもその服を着てルシウスに何度も見て!と自慢をしていた。さすがにうざったいだろうにルシウスは優しく笑っている。 「何回目だよ!とか思わないの?」 「何度見てもレヴァンは可愛いからな」 「···そう言うことじゃなくて」 恥ずかしげを微塵も見せないルシウスに逆にこっちが恥ずかしくなる。 「ルシウスは格好いいよ、いつ見てもドキドキするもん」 「···そ、そうか」 「えっ…?」 少し動揺してるルシウスをじーっと見ると顔を赤くして俺から目を逸らす。 「ルシウス顔真っ赤だぁ〜!」 「み、見るな···!」 「やだよ、そんな顔、滅多に見れないもん」 ルシウスの目の前に移動して笑ってそう言うと腕を引かれてルシウスの逞しい胸に顔を押し付けられる。でもその力は弱くて、上を向くとチュ、っとキスをされた。 「···ルシウスは俺のこと、大好きだね」 「ああ、でもレヴァンも私のことを愛してくれてるだろう」 お互い、どこからそんな自信が···ってクスクス笑いそうになるけど、実際そうなんだから仕方ない。 「ルシウスのおかげで、今、生きていてよかったって思うよ」 「···そうか」 生きるのが嫌になって放り投げようとした時もあった、それを乗り越えて今ここにいることをすごく嬉しく思う。

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