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第37話

ラビスさんに連れてこられたラビスさんの邸はルシウスの邸とは違う魅力があって惹きつけられた。 「おーい、こっちおいで」 「はい」 人型に姿を変えたラビスさんは邸の廊下をスタスタと歩く。それについて行くと大きな扉の前についた。 「はい、ここに入って大人しくしててね」 「ラビスさんは?」 「俺は疲れたから風呂に入ってくる。その間に君には···あー···名前、何だっけ?」 「レヴァンです」 「そう、じゃあ俺が風呂に入ってる間にレヴァンは俺の邸の者に従って動いてね」 「はい?」 「じゃあね〜」 ラビスさんが扉から手を離したと同時、メイドさん達がやってきて俺の服を脱がし始める。 「え、ええっ!?」 「お静かに願います」 脱がされた服の一部を乱暴に口の中に突っ込まれた。 ちょっと酷くないか?と思いながらメイドさん達が俺に違う質素なワンピースのような服を着せるのを眉を寄せてまるで他人事のように見ていた。 「ラビスさん!!」 「もううるさいなぁ···」 部屋に帰ってきたラビスさんに詰め寄る。 手は背中側に縄で縛られていて動かすことができないから詰め寄ることしかできないのに腹が立つ。 「何で俺が縛られてるの!」 「君が下手なことしないようにだよ。もう面倒だし、足も縛って···口にも轡を嵌めようか?目も、何も見えないように布でも巻いてあげるよ」 「いらない!」 「なら黙って大人しくしてろよ」 声を低くしたラビスさんがソファーに腰を下ろして、ジーッと俺を見た。 「···それにしても、なんで君みたいなのをルシウスは拾ったんだろう···君にどんな魅力があるっていうんだろうね?俺にはサッパリだ」 「そんなことを言うためだけに連れてきたんですか」 「そんなわけないだろ馬鹿。ルシウスが本当に君を愛してるならすぐに助けにくるだろうからね、試してるの」 「···へぇ」 「もし来なかったらどうする?俺は君をここで養う気はないし···君のもといた村に帰してあげようか?ああ、でもあの村に君はいい思い出がないんだもんねぇ、それは悲しいよねぇ」 鈍器で殴られたような衝撃が走った。 何でラビスさんがそんなことを知っているのかわからなくて。 「···昨日の、パーティーでラビスさんが言ってたこともですけど、何で、知ってるんですか」 「何でだと思う?」 「知らないから聞いてるのに」 「ふふっ、そうだね。じゃあ教えてあげる。俺は奴隷を2人飼ってるんだよ、いや、奴隷というよりペットかな。そいつらはね君と同じ村の出身」 自然の眉間に皺が寄る。 今や獣人が人間を支配しているのだから、奴隷として人間が飼われることは少なくない。けれどやっぱりそう言われて悔しくなるのも本当だ。 「そして君のあの村で獣人に飼われたのは3人だけ。君と、俺の飼ってる2人」 「·········」 「だから、もう1人は君だということが断定できる。そして君を買った獣人はどんなやつだったのかもすぐにわかるわけだ。」 「···それが、何か?」 「ルシウスが君を買ったと聞いたとき、一体君はどういう人物なのかを調べたんだよ」 そう言って笑ったラビスさんの顔を心から怖いと思った。

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