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第41話

「ラビス!!」 「やあ、ルシウス」 「レヴァンを返せ!!」 ラビスの部屋に入る扉の前にラビスはいた。 胸倉を掴み早く返せと怒鳴れば「ちょっと待ちなよ」と薄く笑う。 「あの子の事、調べたの?」 「調べたさ!お前がくだらないことばかり言うから徹底的にな」 「へえ、それでもあの子がまだ好きなの?大切?」 「当たり前だ、以前よりもっと、何倍も好きになった。」 ラビスから聞いたレヴァンの過去には驚いた。 初めは動揺したが、自分でちゃんと調べて真実を知れば今すぐレヴァンを抱きしめて甘やかしてやりたいと思う。 きっと、私が知っているところまでを、ラビスは知らない。 「レヴァンはどこだ!」 「この中にいるよ、でもね、あの子はルシウスだけじゃないみたいだよ」 「どういうことだ」 「誰にでも感じてしまう可哀想な子だってこと」 眉を寄せると笑ったラビスが扉を開けた。 途端写り込んできた光景に思わず目を見開く、そして抑えきれない怒りが湧いてきた。 「や、やらぁっ、ルシウス···みな、いでぇっ、あ、っあぁっ!!」 「ほら、ルシウスだけじゃないでしょ」 ラビスの言葉を最後まで聞く前に、レヴァンの元に駆け寄りレヴァンに重なる少年を殴りつけた。軽く飛んで行ったそいつは意識を失ったのか床に伏せてしまっている。 そしてレヴァンの隣でボーッとそれを見ていたもう1人の少年は曖昧に笑って「来てくれて、よかった」と聞き取れるかわからないほどの声の小ささで呟く。 「レヴァン!!」 「······ぁ、···あ、い、やだ···」 「っ、くそっ!」 着ていた上着を脱いでレヴァンに着せる。 抱き上げて部屋を出ようとラビスの隣を通り過ぎる。 「覚えていろ」 すぐそばで待っていたオスカーとフィオナがレヴァンを見て悔しそうに表情を歪める。 「オスカー、フィオナ、すぐに邸に帰るぞ」 「はい」 「レヴァン、もう大丈夫だぞ」 泣いて震えるレヴァンの額にキスを落とした。

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