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第47話

「起きたら縄で縛られていて、気付いたらいろんな噂が村中に広まってた。俺が親を殺した理由も、本当は村人達が母さんを殺そうとしたことも全部包み隠してね。···それに俺が殺そうとした人は同じ病気の感染だっていうのに信じないままで、結局その人も亡くなって、その人のお嫁さんも同じ病で亡くなったんだ。まあ、それも俺のせいらしいけど」 淡々と話をするレヴァンだがその目には薄く涙の膜が張ってあってきっと今は胸が張り裂けそうなくらい悲しいはずだ。 「ああ、確か、俺がその人を殺そうとした時俺を抑えた人も数人、亡くなったなぁ」 「レヴァン」 「俺が関わってたからそれも当たり前のように俺のせいになったよ。本当の事を知ってるのは村長だけで、彼だけはたまに俺のところに来ては優しくしてくれたけど、本当は怖かったのかな。悪魔の子に殺されないようにって。俺にそんな力ないのに」 クスクスと楽しそうに笑っているけど、その振動でレヴァンの目からは涙が零れた。それにすら気づかないレヴァンに胸が痛くなって強く抱きしめる。 「もういい」 「ルシウスが聞いたのに」 「ああ、だがもういい」 「···嫌いになった?」 「ならない。···レヴァンは守りたかったんだろう?村人達から、母親を。病から村人達を」 髪を撫でると嗚咽を零して泣き出す。 きっとずっと我慢していたんだ、それでも文句を言わずに1人背負いこんで生きてきたんだ。 それなのにレヴァンを嫌うなんて有り得ない。 「レヴァン、好きなだけ泣いて好きなだけ甘えろ」 「···ふっ、う···」 「私はレヴァンのことを絶対に嫌いだと思わないから」 そう言うと顔を上げたレヴァンが儚い笑顔を見せた。初めて見たその表情はこんな状況なのに見惚れてしまうくらい、美しかった。

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