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第49話

あの日から数日経ったある日。 「フィオナさん!ルシウスは!?」 「ルシウス様なら庭にいますよ」 レヴァンの大きな声が庭にまで聞こえてきて苦笑する。 読んでいた本を閉じてレヴァンの元に行こうと座っていた椅子から腰をあげた。 「オスカー、すまないがこれを···」 「はい、書斎に置いておきましょう」 「ありがとう」 本をオスカーに渡してからレヴァンの元に向かおうと邸の中に入る。バタバタと何人かの足音が聞こえてきてそちらに顔を向けると、こちらに向かって走ってくるレヴァンと、それを追いかけるメイド達。 「ルシウスー!!」 「レヴァン様!走るのはおやめください!!」 レヴァンが私に飛びついてきたのを確認してからメイド達は溜息を吐いて「申し訳有りません」と言う。 「部屋にいてくださるようにとお願いしたのですか···」 「良い。レヴァン、何かあったのか?」 私の胸に顔を埋めていたレヴァンが顔を上げてふふっと笑う。 「ルシウスに会いたくなっちゃった」 「そうか、すまないな、本を読むときはよくここで読んでいるんだ」 「···それ、言ってくれたら大人しく待ってたよ」 「ああ、そうだな、私が悪かった」 レヴァンの髪を撫でると猫のように私の手に頰を擦り付けては皆が近くにいるのに、赤い舌をちろりと出して手を舐めてきた。熱が溜まってくるのがわかって眉を寄せる。 「···ねえ、ルシウス」 「············」 「···したい」 「っ」 レヴァンの手を取って足早に部屋に向かった。

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