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第52話
「ルシウス、待って、お願い、お願いだか、らぁっ!」
少しだけ律動する速さをゆっくりにしてくれたルシウス。
またクルリと体を反転させられて束ねられてた手が解放される。
「キス···キスし、て」
「レヴァン···」
「ん、んむ、っ、チュ、ぁ···」
「まだ、付き合ってくれよ」
「···わ、かってるよ」
そうしてフッと息だけで笑うとまた律動が早く激しくなってルシウスにしがみつく。こうしていないと意識が飛びそうだと思って。
「あ···ぁ、あ、あっ」
「好きだ、レヴァンっ」
「ふぁ、は、ひっ」
ルシウスに抱きしめられながら与えられる快感で、そのあと、いつの間にか意識を失っていた。
***
「ん゛ー···」
体がだるい。目を開けて横を見るとスヤスヤと眠るルシウスがいた。体を捻るとドロッとしたものが中から出てきそうな気がして、慌てて起き上がろうとすれば腰に痛みが走ってベッドに逆戻りする羽目になる。
「ん···レヴァン···?」
「ルシウス、ルシウス、出て来ちゃうっ」
「···ああ、風呂に行かないとな」
「痛くて、起きれないの」
そう言うと満足そうに笑って俺の頭を胸に抱く。
そのまま寝ようとするから「そうじゃなくて!」と目の前にある逞しい身体をトントン叩いた。
「わかってる」
「···いや、わかってるって言いながら寝てるじゃん!」
もういいやと、思ってなんとか自力で起き上がりガクガクしてる足で踏ん張ってお風呂場について、さっさと中のものを出して体を洗った。
「はぁ···」
お風呂から上がって部屋に帰るけどまだルシウスは寝てるみたい。寝かせておいてあげるべきだと思ってベッドに近づくとそこには人型のルシウスじゃなくて動物型になった獅子のルシウスがいた。
「ええっ!?」
アドナの時のように疲れてるのだろうか。
鬣を撫でるとグルルルと喉を鳴らしている。気持ちいいみたい。
一応オスカーさんには言っておこうと部屋を出て扉の前で待機してるオスカーさんにルシウスのことを伝えるとニコリと笑って「畏まりました」と言った。
「俺、どうしたらいいんですか···?」
「そのまま寝かせてあげてください。もともと、獣人は人間より睡眠時間は多く取らなくてはなりませんから」
「はぁ···」
人間より寝ないといけないなら、いつも俺より遅く寝て俺より早く起きるルシウスは無理をしていたってことじゃないか。
ベッドに戻ってルシウスの隣に寝転び大きな獅子の手に触れる。いつも無理していたことに対して悲しく思えて、そっとその手に唇を落とした。
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