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第61話
「ねえ、レヴァンは?」
「俺は──···」
自分の話をしようとした時、ルシウスの声が聞こえてきた。アルフレッドさんは舌打ちをして「あいつが来る」と言ってジークからそっと離れる。
「あいつ?」
「ルシウスだよ」
「ああ···あの人か」
二人の会話を拾いながら、ルシウスの声がする方に耳を向ける。
「おい、お前のことを探してる」
「そうみたいですね。じゃあ俺、戻ります」
立ち上がるとジークが俺の服をぎゅっと掴んだ。
「今度こそ、話聞かせて」
「うん。またね」
「···うん」
部屋から出ていこうとすると勢いよく向こうからドアが開く。
「レヴァン!」
「びっ、くりした···」
「驚いたのは私の方だ!アルフレッド、お前···」
ルシウスさんがアルフレッドさんに詰め寄ろうとするのを抑え込む。だってここに来たのは俺の意思だから。
「俺が自分で来たの!」
「レヴァンが?」
「そう!だから、アルフレッドさんは悪くない」
何とかルシウスを抑えることができそうだ。
「ルシウスさんってさぁ、なんで全部アルのせいにするの」
なのにジークの言った言葉に現場が凍てついた。
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