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第84話

ジーク side レヴァンと遊んだ後、部屋に帰るとアルが居なくて、キョロキョロと部屋を見る。 トイレだったり、お風呂場だったり、探したけどいなくて「あれ···?」とつい声が出た。 さっきレヴァンと遊んだ時、四葉のクローバーを見つけたから、アルに見せようと思ったのに。 ソファーに座って足をバタバタさせる。待っていたら帰ってくるかな。きっとすぐに戻ってくる、だってアルは俺のこと大好きだもん。 「アールー」 この部屋のすぐ近くにいないことはわかっていて、でも名前を呼んでしまうのは、俺の生活にアルが欠かせないから。 もし、アルがいなくなっちゃったらって考えると、すごく寂しい。 「アールー!アル、アルフレッドー!!」 「──何だ」 名前を呼び続けているとアルが帰ってきたみたいで、部屋の扉を開けて俺を不思議そうに見ていた。 「アル、どこいってたの?寂しかった」 「ああ、ちょっとルシウスの所にな。」 「へぇ···。ねえねえ、これ、見つけたの!」 手に持っていた四葉のクローバーをアルの目の前に持っていく。アルは俺の頭をポンポンと撫でて「よかったな」と言った。 「レヴァンと探してたんだけどね、俺だけしか見つからなかったの」 「···そうか」 「···ねえアル、どうしたの?元気ないよ。もしかしてルシウスさんのせい?なら俺、文句言ってくる!」 「違う違う」 部屋を出ていこうとすれば腕を掴まれ、引き寄せられて力強く抱きしめられる。 「お前、なんか温かい匂いがする」 「温かい匂い?あ、太陽浴びてたからかな?もしかして臭い?お風呂入ってこようか?」 「臭くない。むしろいい匂い」 アルにすっぽりと抱きしめられる。これが俺は大好きで、体だけじゃなくて心まで包まれてる気になるから。

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