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第86話

「レヴァンって、寂しがり屋で泣き虫だったんだね」 アルと二人になってそう言うと「そうだな」と俺のことを後ろから抱きしめる。 今日はこうやって抱きしめられることが多い。さっきアルが言ってたけど、太陽に浴びていい匂いになってるからかも。 「アル、擽ったい」 「ん」 「ちょ、っと···アル···」 項にキスをされて、かと思えば顎を掴まれ後ろを向かされて今度は唇に。 「アル···?」 「もっとしていいか」 「···いいけど、キスだけだよ」 「···何で」 「お風呂、入ってないもん」 「それなら問題ねえな」 腕を掴まれてベッドに連れてかれ、淵に座るとまた優しくキスをされる。これ、すごく気持ちいい。 「アル、キスするの気持ちいい」 「そうだな」 アルの低く艶のある声が鼓膜を揺らして、俺の心臓をドキドキさせる。 「アルも気持ちいいの?」 「ああ」 優しい笑顔で俺を見て、たまらず手を伸ばして抱きつくと背中をポンポンと撫でられた。 「ジーク」 「何···?」 「触るぞ」 「···もう触ってるじゃん」 クスクスと笑う。 「それもそうだな」と言ったアルだけれど、手を動かして俺のお尻に触れた。 「···なんか、アルに触られたところ、全部熱い」 「嫌?」 「ううん、嫌じゃない。大好き」 パッと両手でアルの顔を包みキスをする。途端、押し倒されて舌が入り込んできた。 「んっ、むぅ···ぁ···」 「可愛い···ジーク···」 「っん、はぁ···ふふっ、嬉しいなぁ」 手がするすると降りて俺のペニスに服の上から触れる。 もう、ちょっとだけ反応してしまってるそれをアルの手に押し付けた。 「気持ちいいか?」 「うん···アルの手、気持ちいい」 その手が離れていっちゃって、アルの目をじっと見ると服と一緒に下着も脱がされてしまう。ひっくり返されて四つ這いの体勢で、性急に俺の後孔に潤滑油を塗ったアルが指を入れてきて、思わず息を詰めた。 「あっ、ぅ···」 「ルシウスが行ってしまったら、レヴァンがこれからお前に会いに毎日のようにここに来るかもしれない。」 「はぁ···ぁ、それが、何···?」 「夜はここでお前と眠るかもしれないだろ」 「ぅ···?」 アルの言いたいことがわからなくて顔だけ振り返り「どういうこと?」と聞けば少しだけ不貞腐れたような、そんな表情になる。 「お前のこと、最悪2週間も抱けないかもしれない」 「ああ···そ、ういうこと」 アルの指がいい所にギリギリ当たらない。 それは俺にちゃんと話を聞いてほしいのかなって思って、でも焦らされるのは苦手で勝手に腰が動く。

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