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第87話

「あっ、あ···アル、触ってよぉっ」 「ここだろ」 「ひっ、い、あぁっ!!」 待ち望んでた刺激に体が震える。 ペニスからは先走りがだらだらと零れて、シーツに落ちた。 「はぁ···はぁ、ンッ!!」 ペニスに手を伸ばして自分で触る。 気持ちいい。自分の好きなところに触って、背中を逸らし達しそうになる。それをアルに手を掴まれたことで遮られた。 「あっ、やだぁっ···!」 「まだだめだ」 「イキたい···っ、アル、ぅ···」 体を横に倒されて両手を片手で纏められ、ペニスに触れなくなる。けど中に入って動く指が与えてくる刺激でもう達しそうだ。 「ぁ···あっ、あぁぅ···!」 目の前がチカチカとする。 ああ、イク···そう感じた時に指の動きが止まる。 「へ···?」と思わず声が出て、アルを見上げるとニヤニヤと笑っていた。 「なんでぇ!」 「今日は朝まで付き合ってもらわなきゃいけねえからな」 「やだっ、イキたいぃ···っ!」 「なら、イってもいいけど···途中でヘバんなよ」 「あっ、ん!」 指が抜かれて、代わりにアルのペニスが宛てがわれた。 それはゆっくり入ってきて、かと思えばまたゆっくり抜けていく。 「はぁ、はぁ···あっ、奥、きてぇ」 「ん···」 「あっ!あ、抜かないで···っ、やだぁっ、アル、抜いちゃやだっ!」 アルの手を掴んで「やだやだ」と何度も言えば、突然、奥までペニスが入ってきてそれと同時に、達した。 ずっと焦らされていたからその1回が大きくて、意識が飛びそうになるのを何とかこらえた。 「っ、はぁ···、あ、あぁ···」 「はあ···やべぇ、俺もイキそうだった」 「あっ、ひっ、ぃ···」 「ジーク、まだ寝るなよ」 キスをされて、ゆっくりと律動が始まる。 気持ちいいところを何度も掠めて動くアルのおかげでまたすぐに波が来る。 「やぁっ、あっ、あ、あぁっ!!」 「好きだ、ジーク···」 「ひぃっ、あぁぁっ!」 俺も好きを伝えたいけど、言葉にならない声が漏れるだけ。 「ぁ、る···っ」 「好きだ、好き、愛してる」 「あ、ンっ、うぅ···お、俺、も···っ!」 そう言うとアルが優しく俺の頬を撫でて、また俺にキスをした。

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