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第91話
アルフレッドさんはすぐに降りてきて、ジークの前で獅子の姿になった。ルシウスとは違う黒色で、すごく綺麗。
「アル、やっぱりかっこいい!」
ジークが鬣の部分に飛びつくように抱きついて、それでも大きな体をしてるアルフレッドさんはビクともしない。
「ねえレヴァン!アルすごくかっこいいでしょ!」
「うん、綺麗だし、かっこいい」
「ふふっ、でしょ!」
心の底から嬉しそうな笑顔。
なんとなくだけれど、アルフレッドさんも笑ってる気がする。
「アル、さっきねアルの絵を描いてたんだけどね、やっぱり本物の方がかっこいいね」
「その絵、どうしたんだ」
「消しちゃった!」
遠慮なしにアルフレッドさんの背中に乗ってそのまま前に倒れて鬣に顔を埋めるジーク。
俺も、ルシウスが帰ってきたらあれをしてもらおう。見ててすごく羨ましいもん。
「ねえねえ、ちょっとだけ、レヴァンも一緒に外に出たい」
「···わかった。フィオナに伝えてくるから待ってろ」
「はーい」
アルフレッドさんの背中からぴょんと降りたジーク。
俺の手を取って「行こうね!!」と言われ頷いた。
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