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第92話

「レヴァン様、ジーク様お散歩に行かれると聞きましたが」 少しして、フィオナさんをつれたアルフレッドさんが戻ってきた。 「うん、行きたいの」 「わかりました。ジーク様はどうやらアルフレッド様のお背中に乗るようですが、レヴァン様はどういたしますか?」 「···うーん、フィオナさんと歩く」 「···私の背中に乗りますか?」 「ううん、いいの」 ジークはもう既にアルフレッドさんの背中に乗っていて、何度もアルフレッドさんの背中に頬をすりすりとしたり、キスをしたりしていて、少し羨ましい。 「レヴァン!行こうよー!」 ルシウスがいないのは、やっぱりすごく寂しくて、フィオナさんが凄く心配してくれてるのはわかるけど、どうしてもいつもみたいに元気が出ない。 「レヴァン様、帰ったら美味しいクッキーを一緒に焼きましょう」 「クッキーを?」 「ええ、作ったことはありますか?」 「ううん、無い!作る!」 クッキーを作るのは初めてだ。 すごく楽しみで、早く外に散歩に行こう!とフィオナさんの手を掴んでアルフレッドさんとジーク方に駆け寄る。 「行こう!」 「うん!」 アルフレッドさんは俺たちに合わせてゆっくりと歩いてくれる。ジークは飛んでいる蝶々や道端に咲いていた花に興味があるようで、それを見る度に「あれ!」と指を指していた。

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