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第94話
アルフレッド side
散歩に出かけた日の翌日。
顔を真っ赤にしたジークがベッドに寝込んでいる。
「あー···アル、喉痛い、死んじゃう···」
「死なねえから、ほら、これ飲め」
ジークの体を少しだけ起こし、支えてやりながら水を飲ませる。
そう、ジークは思い切り風邪をひいたのだ。
高い熱に魘されて、水を飲むのもやっとで食事なんて取ったものなら全てを戻してしまう。
「アルぅ」
「寝ろ」
「アルの手、ちょうだい」
「はいはい」
ジークの額に置いていた手で、ジークの手を握る。
ゆっくり瞼を下ろしたジークが、次第に規則的な呼吸を始めたことで眠りに落ちたのがわかった。
コンコンと扉がノックされる。
「はい」と返事をすればフィオナが入ってきた。
その手には二つの薬が。
「お薬ですが、何かお腹に入れてもらわないといけません。」
「今は食えなさそうだ」
「···では、こちらを」
そう言って渡された薬。
「これ、どうやって···」
「それは座薬です」
「···座薬」
座薬って、あれだよな。
ケツから入れる薬。まあ普通の飲み薬より早く効くとか言うし、ジークもそっちの方が楽かもしれない。
「先端を少しオイルか何かで濡らしてから、薬を入れて、そのまま第一関節辺りまで指を差し込みしばらくその状態で押さえていてください」
「わかった」
薬を手にしながら眠っているジークに近づき、そっと下着と一緒に服を下げる。
足を軽く曲げさせてケツだけ少し出させる体勢にして、潤滑油を薬の先端に軽く塗り塗りジークの後孔に挿入する。
一緒に軽く指も入れて、これで押さえるんだよな?
どの程度で指を抜けばいいんだろう。少し考えているとジークがもぞっと動いて、かと思えば目を開きぼんやりと宙を見ている。
「ぅ···ア、ル」
「ああ、どうした」
「···お尻、何してるの···?」
「薬を入れてる」
「···焦った、今されるのかと思った···」
「流石にそんなことしない」
そろそろ指を抜いても良さそうだ。
指を抜いて服を着せ、もう一度ジークを寝かせて、俺はルシウスの代わりに任されている仕事に取り掛かった。
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