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第103話

眠れない。 ベッドに入る前はすごく眠たくて仕方ないのに、入った途端に目が覚める。 それはフィオナさんに勧められて、ジークとアルフレッドさんと一緒に眠ろうとしても同じだった。 そんな日が三日も続けば、体は疲れきって動くのも嫌になる。 「レヴァン様」 「···はい」 テーブルに体を伏せる俺にフィオナさんが「眠りますか?」と聞いてきた。まだ真昼間、こんな時間にすごく眠たくなる。眠るなら夜がいいけれど、夜に眠れないんだから仕方が無い。 「ちょっとだけ」 「わかりました、ではベッドに···」 「ベッドはやだ。ここで寝る」 そのまま目を閉じた俺を咎めることなく、フィオナさんが毛布を取ってきて掛けてくれた。 ルシウスが早く帰ってきてくれたらきっと、夜も眠れるようになる。 あと1週間とちょっとだけ。 それくらい待てないと、きっとルシウスにも呆れられちゃう。 ルシウスは今頃何をしているんだろう。 俺の頭の中はもうルシウスでいっぱいだ。 ルシウスの事を考えていると眠たくなって、気付けば眠りに落ちていた。 「───レヴァン!!」 「ん···」 目を開けるとジークが笑顔でそこにいる。 その後ろには困ったようにしてるアルフレッドさんと、溜息を吐いて頭を抑えているフィオナさん。 「遊ぼ!」 「···あ、うん!遊ぼう!」 少し痛い体を起こして伸びをする。 フィオナさんがこっそり「大丈夫ですか?」と聞いてきたのに笑顔を向けた。 「大丈夫です。ちょっと眠れたしね」 「まだ15分も経ってません」 「大丈夫だって!」 ジークに腕を掴まれ、部屋の外に行く。 そんな俺をアルフレッドさんが突然抱っこしたことで体が浮いた。でもそれはジークも同じだったみたい。 「わあ!」と声が聞こえて横を見るとジークがアルフレッドさんにしがみついていたから。 「何?どうしたの?」 「お前は病み上がりだし、こっちは少し元気ないしな。あんまりはしゃいでると二人とも体調を崩すだろ」 「いや、俺、大丈夫だから!アルフレッドさんおろして!」 頼んでも下ろしてくれないアルフレッドさん。 諦めた俺とは違い、楽しそうにアルフレッドさんの髪を触っていた。

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