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第104話
アルフレッドさんは暖かい服を俺達に着せて外に出た。
庭で日向ぼっこをして、少しお話して。
「ねえ、ずっと聞き忘れてたんだけど···レヴァンはどうしてルシウスさんに出会ったの?」
不意にジークがそんなことを聞いてきて、懐かしい思い出が色鮮やかに蘇る。
「元々ね、俺は村の嫌われ者で、そんな中で突然フィオナさんが村にやってきたんだよ。ルシウスが俺を呼んでるって。でもその時俺はルシウスの事なんて知らなくて···」
「嫌われ者?なんで?レヴァンはこんなに優しいのに」
ジークがまるで自分のことのように悲しそうにしてくれるから、心が温かくなる。
「ちょっと···色々あってね。それでその時、獣人に奴隷として飼われるんだって思ってたんだよ。でも話を聞けば俺を娶るとかさ···あの時は馬鹿じゃないかとか思ったよ」
出会った時のことを思い出すとやっぱり少し笑える。
「それからはすぐに儀式だとかなんとかで···今なんだよね」
「あいつは決めたことは曲げないからな」
アルフレッドさんの言葉にうんうんと頷く俺。
「ルシウスさんのそういう所が皆に信頼されるところだよね」
「うん、そうだね」
「俺もルシウスさんのこと信頼してるもん。アルのお兄さんだし!」
アルフレッドさんに抱きついたジーク。
二人は笑いあっている。
「あ、でも···レヴァンは後悔しなかったの?有無を言わせずにここに連れてこられたんでしょ?」
「後悔はしてないけど···でも、両親の墓参りくらいはしたいかな」
「あ···御両親は亡くなってるんだね」
「うん。」
思い出して悲しいとは思う。けれど嘆くことも泣くことも意味が無いとわかっているからしない。
「えっと···なんか、ごめんね」
「ううん。大丈夫」
何だかしんみりしちゃって、それを破るように勢いよく立ち上がる。
「ねえ!何かして遊ぼ!」
「うん」
ジークとアルフレッドさんに向かって笑いかけた。
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