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第118話

ぱっと顔を上げたゲート。 そっと体を抱きしめると、俺よりも小さい体は戸惑ったように動かなくなる。 「ごめんね。俺も一人が寂しいのも、人に煙たがられたり、嫌われたりするのが嫌だってわかってたのに、ゲートに酷いことした」 「···レヴァン、様?」 「俺もね、一人だったんだ···その寂しさも全部知ってる。それをルシウスが埋めてくれたのに、俺はその埋め方をわかってるのに、ゲートがもっともっと不安になって、寂しくなるような事しかしなかった···」 ズキズキと傷が痛い。 けれどそれ以上に、ゲートの心の痛みを考えると胸が苦しくなる。 「あのね、ゲートは俺の子供でも、俺の知り合いってわけでもないけれど···」 「···············」 「図々しいかもしれないし、頼りないけど、何かあったら兄だと思って何でも話してくれていいし、例えば···俺だってこの邸のことならゲートよりは長く居るし、わかるから、教えることが出来るし···だから···その······そう!まずは俺のことはレヴァン様だなんて、そんな呼び方はしなくていい!」 体をばって離すと、勢いよく話をしすぎたせいかゲートがポカンとしている。 「ね?俺自身は何も偉くはないから。ルシウスは仕事のことになれば厳しいけれど、そうやって辛い時は俺に話してくれていい。俺とゲートだけの秘密」 そう言って笑いかければ、ゲートの表情がみるみる歪んで、その大きな目からは涙が零れていく。 「俺、そんなこと、言われたことない」 「···うん」 「ずっと、ひとりだった、から···」 「ここでは何も我慢する必要は無いよ。」 そう言って俺よりも小さな体をまた優しくそっと、抱きしめた。

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