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第125話

部屋に帰って、ルキアノスさんは俺をソファーにおろして部屋を出て行った。 今日はルシウスとすれ違う事が多い。 俺が悪いとわかっていても、素直にごめんなさいを言えなくて、その場所から逃げてしまう。 勉強はするって約束したから、それはするけれど、俺は昔から勉強をするとなると頭が痛くなるから嫌で仕方ない。 「あー···考えただけで痛い」 こめかみを押さえて、ゆっくり深呼吸をする。 ソファーに寝転がって目を閉じると一気に体が重たくなった気がした。 勉強は明日から始めよう。そういえば、いつから俺はこんなに勉強が嫌いになったんだっけ。思い出すことも嫌ってことはそれなりの出来事があったのか。 ···全く1ミリも覚えてないからそういうわけじゃないだろう。 一度眠りに落ちようとすると扉がノックされた。 パッと目を開けてソファーに座ると扉が開きそこからはセシリアさんが入ってくる。 「あ、お休みでしたか···?」 「大丈夫です。どうかしたの···?」 「ルシウス様からの伝言です」 「うん」 いつもなら絶対自分から言いに来るのに、さすがのルシウスも怒ったのだろう。 「無理はしなくていいと」 「···何それ」 「そうとだけ伝えてくれと仰っておりましたので、真意はわかりかねます」 それだけ言ってセシリアさんは帰って行った。 無理はしなくていい?なんでそんな優しい言葉をくれるの?怒ってたんじゃないの? ルシウスの考えがわからなくて、溜息を吐く。 そしてまたソファーに寝転がってあくびをこぼす。 やっぱりちょっと眠ろう。 それから、ルシウスの言葉の意味を考えよう。 目を閉じて、夢の世界に落ちた。

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