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第126話

ジークside 「アル、疲れたの?」 「ああ」 お茶を飲みたいのに後ろから抱きついてくるアルのせいで動けない。同じベッドに腰掛けてアルの太股に手を置いて後ろにもたれかかった。 「アール」 「何だ」 「ずっとこうしてるつもり?俺もちょっと疲れたから寝転びたいな」 「···わかった」 一緒に寝転んで、勉強をして疲れきってるアルの頬に触る。 「最近、前みたいにアルに触ってない気がする」 「···そうだな」 「俺ね、いつでも待ってるよ」 「お前は···」 「だから、ねえ···キスしていい?」 その返事をもらう前にキスをした。 けれどそれは失敗。頭を押さえられてその後はアルにされるがままに受け入れるしかなくて、俺が主導権を握りたかったのに意味が無い。 「あ···む、ぅ···」 「ジーク」 「っはぁ、」 「脱いで」 唇が離れたかと思えば服をクイクイと引っ張られる。 今更恥ずかしがることもなく、服を脱いで寝転んだままそれを見ていたアルの上に跨る。 「今日は俺がしようかな」 「何で」 「アルが疲れてるみたいだからね」 「へえ···?」 背中を屈めて、ちゅっとアルの首にキスをする。 そのまま首筋を舌で舐めて、頬にも唇を落とした。 「俺ね、アルにキスされると気持ちいいんだ」 「俺もだ」 「だから、たくさんキスする」 べって舌を出したらアルも舌を出して絡められる。ピリピリとそこが痺れて、自分でするって言っておきながらだんだんと力が抜けてアルの上に倒れ込んだ。 「気持ちい···」 「そんなんじゃ何も出来ねえぞ」 「ぅ···ぁ、あの···やっぱりアルがして···?」 「諦めるの早すぎねえか?」 「だってぇ···気持ちいいんだもん···っ」 そのままアルの胸にスリスリと頬をすり寄せる。 突然強い力で抱きしめられたかと思うと、そのまま視界は反転した。 「キスだけでこんなになってんのか」 そう言いながらアルの手が既に熱を持っている俺自身に触れる。 「あ···はぁ···」 「なあジーク」 「ん、何···?」 「お前、あの養子をどう思った」 今、このタイミングでそれを聞くのか。 気持ちは萎えてしまって、勢いよくアルの首に腕を回し引き寄せる。 「何で今聞くの?」 「あ、わ、悪い」 「···いいけど、養子じゃなくてゲートって言って」 「···ゲートのこと、どう思った?」 悪いって謝ったくせにまた同じ事を聞いてくる。 「いい子だと思ったよ。突然ここに跡継ぎとして連れてこられたのに反発もしない。自分の運命をとっくの昔に受け入れていたみたい」 「···それはいい事だと思うか?」 「さあね。でも俺達はゲートをサポート出来るかも知れないけど、道を示してあげることは出来ないよ。それはルシウスさんとレヴァンの仕事だと思うから」 「俺は···ゲートが壊れちまうんじゃないかって怖い。ルシウスの背負っているものは大き過ぎる。それをそのままゲートは受けて継ぐんだ。今のルシウスの様にそれの大変さを感じさせない器量と優しさと、強さがゲートに備わってるとは思わない」 アルは頗るルシウスさんのことが好きみたい。 その絆を俺の自分勝手な行動で一度崩してしまったことを凄く申し訳なく思う。 「それをサポートしてあげないとね」 「···そうか」 「うん。誰も一人じゃ何も出来ない。それはきっとルシウスさんも例外じゃないよ」 ルシウスさんも沢山の人に支えられて、きっとここまで歩いてきた。 「───ところでアル」 「何だ」 「もういい?俺、そろそろ限界」 アルの足に足を絡めて自らのそこをアルの手に押し付ける。 「もう俺の事だけ考えて」 そう言って勢いよくキスをした。

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