「だから、その···ごめんなさい」 「別に気にしてないよ。ね、アル」 ジークに酷い態度を取った自覚はあったから謝りに行くとすぐに許してくれた。 そんなジークは今日もアルフレッドさんの膝の上に座り、アルフレッドさんを背凭れにしてる。 「じゃあ、えっと···邪魔してごめんね。」 「ううん、大丈夫だよ。今日は無理だけど、また明日でも遊ぼうね」 「うん」 アルフレッドさんの手を握りながらそう言ったジークにうんうんと頷く。 「じゃあね、またね」 「うん」 ジークとアルフレッドさんの部屋を出て廊下を歩いてると「レヴァンさん！」と幼い子供の声がして振り返る。 「いた！」 「どうしたの？」 そこにはゲートが立っていて俺に駆け寄り「あの！」と勢いよく話し出す。 「に、人間のことについて、教えてください！」 「人間のこと？」 「はい！オスカーさんから課題を出されました。人間のことについて学んでくるようにと」 「そうかぁ」 オスカーさんも難しい課題を出すな。そう思いながら「じゃあ1緒に考えようか」とゲートの手を掴みルシウスの部屋に向かう。 「俺は人間だけど、人間についてはそんなに知らないからなぁ」 「どうしてですか？」 「ゲートもだと思うけど、自分のことって普段からあまり考えたりしないからわからないんだよね」 「成る程。」 ゲートは俺に手を引かれるまま歩いて、ルシウスの部屋の前まで来ると驚いて「ダメです！」と言った。 「どうして？ゲートは俺達の家族だから遠慮しなくていいんだよ」 「あ、で、でも···」 「仕方ないなぁ。」 扉をノックし「ルシウスー」と呼ぶと少しして扉が開いた。 「どうした？」 「ゲートも中に入っていいよね？」 「当たり前だ。おいで」 ルシウスは優しい顔をしてゲートを抱っこする。 ゲートは驚いてポカンとしているけれど、嬉しかったのか次第に笑顔になっていく。 「レヴァンはジークとアルフレッドのところに行っていたんじゃ無かったのか？」 「２人のところに行った帰りにゲートに会ったんだよ。」 「成る程。で、どうしてここに？」 「話があったんだよね！人間のことについて知りたいんだって！」 そう言うとゲートはルシウスに抱っこされたまま頷いた。 「人間のことか。オスカーに言われたな？」 「はい」 「あいつは難しい事ばかり課題に出してきたりするからな···。人間のことなら話を聞くより見た方が早い。」 「見る···？」 「ああ。そうだな···人間の街に行ってみるか？」 「いいのですか！？」 「ああ」 ルシウスとゲートは楽しそうに会話をしていて、本当の親子のようだ。 「レヴァンはどうする？一緒に行くか？」 「うん」 そういう訳で、俺とルシウスとゲートは街に出掛けることになった。