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第149話

アルフレッドさんがご飯を持ってきてくれて、でも長くはここにいられないようですぐに部屋を出ていく。 一人で食べるご飯は、あんまり味がしない。 心の中はルシウスのことでいっぱい。どうして俺の気持ちを分かってくれないの?とか、そんな嫌な事しか考えられないけれど。 何とかご飯を食べ終えて、部屋の窓から外を眺める。 ここは地面からだいぶ離れている。 さっきアルフレッドさんが言ってた。 俺は自由にしていいんだって。 もし本当にルシウスに愛想を尽かされたら、俺にはもう誰も助けてくれる人はいない。 アルフレッドさんだって、ジークのことが一番大切だし、ジークだってアルフレッドさんが一番大切だから。 俺のことなんて、ルシウス以外誰も必要としてくれない。 最後の頼みの綱も、もう切れてしまうかもしれない。 ブワッと風が吹いた。 髪が靡いて、窓枠についていた手で、髪を押さえる。 冷たい風が気持ちいい。 目の前に蝶が飛んでいる。 手を伸ばせば掴めそうで、前のめりになりながら手を伸ばした。 「───レヴァン!!」 「え···?」 聞き慣れた声に驚いて伸ばした手を引っ込める。 「何をしてる!!」 下から聞こえてきた声を追いかけて、窓から下を覗くとそこには金色の髪を靡かせるルシウスの姿があった。 あ、ここにいるの、ばれちゃった。 「そこから動くな!」 「···何で怒ってんだよ」 俺の小さな呟きをルシウスが拾えるはずもなく、視界からルシウスの姿が消えたと思えば、しばらくして部屋の扉が開く。 「今、飛び降りようとしたのか!?」 「はぁ?」 息を乱して焦りながらそう言ったルシウスに少し···いや、結構、鬱陶しいと思った。

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