151 / 170

第151話

「アルフレッドと…仲良くなったんだな」 「え、うん。だってすごく優しいもん」 「……………」 「負けた気がする?」 「…ああ」 「まあ、公平に扱うって優しさはアルフレッドさんの方が勝ってるね。すごく優しいんだ、本当に。」 部屋を出て、廊下を歩く。 レヴァンに言われた言葉。そう言われるだけのことをしたんだから仕方が無いけれど、やはり気分は良くない。 「…許してくれ」 「じゃあ、俺のどこが好きか、教えて」 レヴァンが私の首に腕を回し抱きついてくる。 そして頬にキスをされ、ドキリとした。 「…全部、好きだが…レヴァンが笑う顔が何より好きなんだ。」 「ふふっ。俺もね、ルシウスの笑ってる顔大好き」 「それから、優しいところ。それに…ああもう、話せば1日は潰れる。」 部屋についてレヴァンをソファーに下ろし、隣に腰掛けた。 「何それ。まあいいけどね、とにかくなんか…疲れたなぁ…」 「…レヴァン、今更なんだが…その怪我は…?」 「…村に行ってきた。そしたらこのザマ」 「どうして村に?」 「…お墓参り。ずっと、行ってなかったし」 それなら私もついて行くべきだった。1人で行かせて、こんな怪我を作らせて、何をしているんだ。 「すまなかった。私もついて行くべきだったのに」 「ううん。気にしないで。こんなのいつもの事だったしね。それなすぐに治るよ」 「いつもの事…ダメだ、いい加減あの村の者達には話をせねば。」 「あー!もうルシウス!」 「何だ」 ぐっと服を引っ張られ顔が近くなる。 「俺だけ見て」 「はっ…、ん!」 キスをされてすぐに離れていく。 レヴァンはしてやったりとでも言いたげな顔をしていて、思わず口元を抑えた。 「れ、レヴァン、突然こう…強引にされると、さすがに私も…照れる」 「照れたの。可愛いね」 レヴァンが倒れてきて、私の膝に頭を乗せる。 髪を撫でてやると嬉しそうに「仲直りできてよかった」と言って笑った。

ともだちにシェアしよう!