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第152話

アルフレッドside 「ならレヴァンはルシウスさんと喧嘩してたんだね」 「ああ」 全てが解決したからジークにこれ以上隠している意味もないと判断して、ルシウスとレヴァンの事を伝えた。 「アルの馬鹿!!」 「え···」 「なんで教えてくれなかったのさ!!秘密事嫌いなのに···っ」 突然怒鳴られて動揺する俺を他所に、ジークが立ち上がって俺の胸をバンっと叩いた。 「もしかしてこの前部屋に帰ってくるのが遅かったのはレヴァンの為!?」 「···あ、ああ。」 「ひっどい!!抜け駆けして!!自分だけレヴァンに好かれようとしたんでしょ!」 「······何でそうなる」 ジークを抱きしめると嫌がってバタバタと暴れるけれど、子供の力に獣人の俺が負けるはずがない。諦めて大人しくなったジークの顔を覗けば、唇を尖らせて鋭く睨みつけられた。 「俺だってレヴァンの力になりたかった」 「···お前が心配すると思って言わなかった。レヴァンは怪我をしていたから」 「···それなら余計に、だよ。」 ポスッと胸に顔を埋めたジークは、唐突に「獅子になって」と言うので形態を変えると、今度は鬣に顔を埋めて動かなくなる。 「ジーク?」 「俺のこと好きでしょ」 「ああ、愛してる」 「···ならもっと······なんて言ったらいいのかわかんない···もうアルなんて嫌い。」 「すぐ拗ねる」 溜息を吐けばジークは顔を上げて怒り出した。手を伸ばして抱き寄せ、頬を舐める。 ムッとした顔は直らないけれど、さっきよりは幾分かマシだ。 「嫌いって言わないでくれ。俺はお前が居ないと生きている意味が無い」 「···俺だってそうだよ。なのに秘密事するから」 「···秘密にしていることはもう何も無い。機嫌を直してくれ」 頬をジークに擦りつけ、そう言うと唇は尖らせたまま小さく頷いた。 「その代わり、俺の言うこと聞いて」 「ああ、何だ」 目を見て聞けば、俺の耳に触れて、それから鼻先に触れられる。 「最近エッチしてないから、しよ···?優しいの」 「············」 ジークから誘われるのは珍しくて、思わず人型に戻ってジークの肩を掴んだ。 「する」 「···やる気満々だね」 「ジークから誘ってくることは滅多にない。」 「優しいやつだからね。怖いのは嫌だ」 「優しくする」 ジークを抱きしめ、キスをする。 そっと抱き上げベッドに移動し、押し倒した小さな体。 なるべく優しくするんだと自分に強く言い聞かせた。

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