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第12話 監禁
「……とにかく雅文の結婚式の日取りが決まったら、そのときに連絡くれればいいから。それ以外のことは全てそっちで勝手にやってちょうだい。じゃ、あたしはもう行くから」
母親がイライラとそう言うと、息子の方を見ることもなく出て行ってしまった。
「ふん。間違いなく雅文はあいつの血を濃く引いてるな。外見だけは綺麗だが、中身はあばずれだ。……でも、これからは雅文、おまえの自由にはさせないからな。いいか、一週間後にT社の令嬢と見合いだ。そのつもりでいろよ」
「…………」
恐慌をきたして蒼白になる息子を心配することもせず、父親が部下に命令する。
「雅文を二階の部屋に閉じ込めておけ」
またもや犯罪者のように二人の男に両側を挟まれ、二階の部屋へと連れて行かれた。
黒崎を部屋へ押し込むと、男の一人が言った。
「雅文様、大切な人をお守りしたければ、変な気を起こさないようになさってください」
そして隙のない動きで部屋から出ると、外側から鍵を掛けられた。
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