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第14話 Side.Sawai 心配

        *    黒崎が昔の自宅で父親からとんでもない話を聞かされている頃、源氏ケ丘大学付属病院の外科のスタッフステーションでは、沢井が時間になっても来ない恋人のことを酷く心配していた。 『……この電話番号は電源が切られているか、電波が届かない――』  さっきから何度となく黒崎のスマホに電話を掛けているが、いつも同じメッセージが流れて来るだけだ。 「おい、沢井、黒崎と連絡ついたのか?」  親友の川上がやって来て、沢井に問いかける。 「いや……」 「とにかく沢井、おまえは家へ帰れ。すごい酷い顔色してるぞ? 黒崎のシフトには俺が入っとくから」 「……ああ……悪い。川上、もし俺と入れ違いに雅文が来たら――」 「分かってる。すぐにおまえに連絡するように言うから」 「すまない」  沢井は言うと、着替えるために急いでその場をあとにした。

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