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プロローグ④

佑真が番相手ならいいのにと思う母、千歳の気持ちを余所に叶芽は残念ながら佑真に恋心はなかった。 あくまでも親友である。 それに佑真だって叶芽をどういう風に思ってるかも分からないので、親が勝手にあれこれ考えるのは野暮である。 叶芽は自室に鞄を置き、着替えを済ませる。 広いこの部屋には天蓋付きのベッドまである。 そしてこの部屋を出ると、隣の部屋へと入っていった。 すると入るや否やピィと言う鳴き声が聞こえてくる。 「ただいまひよこ、クロー」 「ピィ」 可愛らしい声で答えるのは叶芽のペットの2羽のオカメインコだ。 体が白く顔が黄色い、ルチノーと言う種類のオカメインコがひよこ、体がグレーで顔が黄色いノーマルの種類がクローと言う名前で、2羽ともオスだ。 大きなケージ2つに1羽ずつ入っており早速出してやると叶芽の手と肩に乗って来る。 もう片方の手を傍に持ってくると、撫でてと頭を下げて来るので頭を撫でてあげると、気持ち良さそうに目を細める。 暫くオカメインコと戯れていると、オカメはこの部屋に設置されている巨大なバードアスレチックで遊び始めた。 2羽が遊び始めた隙に叶芽はこの部屋で宿題を済ませる。 途中で叶芽の肩に飛んで来るが、宿題が終わるまでじっと止まっていた。 宿題が終わるとまた2羽と戯れると言ういつものルーティンを終え、2羽をケージへ戻すとリビングへ戻る。 するとキッチンから美味しそうな匂いが漂ってくる。 家政夫の斐紹が夕飯を作っている最中だ。 「今日は何?」 「ん~、今日はハンバーグ。 いい挽き肉が手に入ったんだ」 気さくな性格の斐紹は叶芽とは友達感覚でタメ口で話している。 すると廊下から人の声と足音がし、リビングのドアがガチャリと開けられた。 「ただいま」 「あ、父ちゃんお帰り」 「お帰りなさいませ旦那様」 父親が帰ってきた。

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