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出会いは……②

「ねぇ君」 見知らぬ男性2人に声を掛けられ、身構える。 「何か?」 「あれ、君男なの? 可愛いから女の子かと思った」 どうやら叶芽を女と勘違いし、ナンパしてきたようだ。 何処からどう見ても男なのにと自分に自信を無くしてしまう。 「まぁでも俺は男でもイけるからどう? これから遊びに行かない?」 「いや、今友達と来てるんで……」 「いいじゃんちょっとくらい。 お兄さんとイイコトしよ?」 ああ、どうしよう。 こう言う時に限って佑真がいない。 しかも壁際に追い込まれて逃げ場もない。 「ちょっとちょっとあんたら」 すると男達の背後からもう一人、男が現れた。 「ああ……何お前?」 現れたのは茶髪で背の高い目鼻立ちくっきりしたイケメンだった。 「その子嫌がってるでしょ。 離してあげなよ」 2人の男性を相手に臆すること無くそういい放つ彼に叶芽は目を奪われていた。 「は?何、ウザいんだけど。 あんま邪魔すると痛い目見るよ?」 そんな挑発にも彼は一切動じない。 それどころかニヤリと笑って見せた。 「あっそ。別になんでもいいけど、取り敢えず警察に通報したから」 そうスマホを耳に当てるポーズをすると男2人はさっきの威勢のよさとは真逆に、顔を真っ青にして逃げて行った。 「バカだなぁ。 本当はまだ通報なんてしてないのに」 彼は嘲笑うようにそう言った。 「あの、ありがとうございました」 「別にいいよ」 気にしないでと手を振る彼。 けれどお礼を言うだけではなんだ。 「あの、何かお礼させて下さい。 何か欲しい物とか……」 「いやいや要らないから!! と言うかこれからバイトだから急いでて」 「バイト……?」 そこで働いてんのと指差した先には、おしゃれな外観のカフェがあった。 「じゃあね、もう行かなきゃ」 「え、ああ……じゃあ名前くらいは教えてよ」 「え~名乗る程のものじゃないし……」 そう渋るが、叶芽がダメ?と上目遣いで見るので名前くらいならと了承した。 「宮市渚」 それだけ言うと小走りに去っていった。

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