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出会いは……⑤
一方激辛唐辛子、ブート・ジョロキアを購入した叶芽は満足気だった。
「つーかさ、そんなもん買って親に怒られるんじゃね?」
笑顔に水を差すように言ってくる。
「う~んでも既に買っちゃったんだから、諦めてくれるかなぁって。
どうせなら一緒に美味しいって食べられればいいんじゃない?」
そう言う叶芽だが、彼の両親が激辛好きなど聞いたことがない。
きっと彼の母親なら呆れると佑真は思う。
「ほんとお前って……
黙ってたら美人なのにな」
「何それどう言う意味?」
「アホって事だよ」
「ひどっ!!」
あんまりな言い方に拗ねるが、アホと言う言葉はよく言われるのであっという間に回復する。
もう十分に遊んだ2人は帰宅の途に着いた。
「ただいまー」
自宅である豪邸へ帰った叶芽。
お帰りと両親と家政婦の鈴木早苗が出迎えた。
柊家には2人の家政婦がいる。
一人は斐紹、もう一人は早苗だ。
彼女は叶芽が幼い頃からいる家政婦で、優しくおおらかな性格なおばちゃんで、叶芽にとってはもう一人の母親のような人だ。
「お帰り。
楽しかったか?」
母、千歳がそう聞くとうんと、嬉しそうに答えた。
すると父、麻人が叶芽の持っている袋に反応し、何か買ったのかと聞いてきたので袋からあの、激辛唐辛子のブート・ジョロキアを取り出した。
「なんだそれ」
そう聞く千歳だが、その瓶を見てなんとなく察しはついていた。
「辛いやつ」
一言そう答える。
これ食べてみたいから何か作ってと家政婦の早苗にお願いするが、使っていいのか判断がつかないので叶芽の両親に判断を任せる。
麻人が見せてごらんと叶芽から瓶を受け取ってラベルを確認する。
「ブート・ジョロキア………
これ、とんでもなく辛いやつだよね。
世界一辛いやつだっけ?」
「はぁ?」
世界一と聞いて千歳は思わず声が出て、呆気にとられる。
「いや、世界一じゃないよ。
もっと辛いのあるし」
飄々と答える叶芽に千歳はバカかと使用を却下した。
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