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出会いは……⑥

「んだよケーチ!!」 折角久しぶり激辛料理が食べられると思ったのに叶芽が買ったブート・ジョロキアは千歳によって取り上げられ、キッチンの棚の奥深くに封印されてしまった。 ふて腐れた叶芽は自室に戻り、広々とした天蓋付きのベッドにうつ伏せになって足をバタバタと怒りをぶつける。 ふとここで思い出した。 自分を変な男から助けてくれた彼を。 カッコよかった。 イケメンであんな風に人助け出来るなんて、なんてスペックの高い人なのだろうと感動した。 だからこそ何かお礼がしたい。 とは言えこう言った事は初めてなので何をしたらいいのか分からない。 何かお菓子でも持っていけばいいのだろうか? 分からないのでここは一番良識のある両親に聞くのが一番だろう。 だがなんて言う? 人に絡まれたなんて言ったら大騒ぎしそうだ。 ここはやんわりと聞こう。 「あのさ、人にお礼する時とかお菓子あげればいいの?」 「……お礼?」 「なんだい?まさか何かやらかしたんじゃないのかい?」 父が叶芽を疑うような目で見る。 「違うよ。 社会人のマナーとしてどうなんだろってただの疑問」 なんとか誤魔化した。 「そう?ならいいんだけど。 何かあったらすぐ言うんだよ」 「分かってる」 取り敢えず納得してくれて、色々と教えてくれた。 それをヒントに今度お礼の品を買って持って行こうと思った。 話を聞き終わると叶芽は席を立った。 「おや、もういいのか?」 「うん。ひよことクローと遊んでやらなきゃ」 ペットのオカメインコと遊ぶ時間だと言うと父も席を立った。 「千歳はまだ仕事があるみたいだから僕もオカメさんと遊ぶことにしようかな」 千歳はΩ用首輪の試作品作りの案をしたためている最中なので、叶芽と共にオカメインコの部屋へ向かった。

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