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再会⑧
「フ~ンフ~ン♪」
いつものように佑真と共に車での登校。
車内には叶芽の鼻歌が響いている。
「最近随分とご機嫌じゃん。
スマホば~っか見ちゃって……」
不満気な声色で指摘する佑真に叶芽はまぁ色々とお茶を濁す。
別に叶芽が何しようと関係ないが、隠されると腹が立つ。
渚へお礼を渡した日の夜に再びメッセージが来た。
『お菓子ありがとう。
あんな良いものわざわざ申し訳無い』
そう送られてきた。
「あれそんなに良いものなんだ……」
甘いものは得意ではない叶芽はイマイチピンと来ない。
父親が言ったブランドをただ選んだだけだ。
取り敢えず、『気に入って貰えたらいいんだけど』と送るとすぐに返事が来た。
『兄弟達も凄く喜んでるよ。
本当にありがとう。』
そう返事が来た。
この日はこれでやり取りは終わった。
翌日の今朝の事だった。
スマホがピロンと鳴った事で目が覚めた。
佑真からだろうかとまだ覚めきらない頭でスマホを見ると佑真からではなかった。
渚からだった。
『おはよ』
そう一言だけのメッセージだったが、一気に目が覚めた。
まさかおはようのメッセージが来るなんて思っても見なかったから戸惑ってしまった。
「えと……どうしよう……
と、取り敢えず返事……」
何を送ればいいのか迷っているとまた彼からメッセージが来た。
『これから学校。
また時間があったらメッセ送っていい?』
そう送られてきて、『勿論です。俺もまた連絡したい!!声聞きたいから電話もしたい』と送ると、嬉しいと言うスタンプが返ってきた。
それからと言うもの、たまにメッセージのやり取りもして、渚から電話まで掛かってきた。
緊張して上手く話せない叶芽に優しく近況を聞いたりしてくれた。
そんな事など知らない佑真はモヤモヤしていた。
叶芽の様子からして嫌な事では無いだろう。
寧ろ良い事があったのなら、こちらから聞かなくとも自分から言うくせに、何故言わないのか理解出来なかった。
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