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二人の距離③

 爆笑の渚に叶芽は何がそんなに面白いのか分からず少々困惑した。 「そんなに変なこと言った?」 「いやいや、カナちゃんって予想の斜め上行くなぁって思っただけ」 「……??」  余計に分からない。  そんな会話をしている内に渚が頼んだハンバーグセットと叶芽が頼んだステーキセットが運ばれてきた。  いただきますと食べ始めた2人。  ふとここで渚は気付いた。  叶芽の食べ方が綺麗だなと。  ナイフとフォークを綺麗に使いこなす彼を見て、案外良いとこの坊っちゃんではと思い始めた。  だって少し浮世離れしていて、仕草も上品だし、聖雷に行けるだけの経済力があることは確かだ。  それにお礼のお菓子も高級品だった。  Ωと言うことで、勝手に自分と似た環境なのだと思っていたが違うのだろうか?  しかし、目の前の彼はファミレスの肉を美味しそうに食べている。  本当に良いとこの坊っちゃんならこんな安い肉を美味しいと思うだろうか?  よく分からない……… 「ねぇ、ナギの好きな食べ物は何?」  今度は逆に叶芽から渚への質問だ。 「俺は甘い物も辛い物も好きだよ。 って言ってもカナちゃんみたいに火吹くような激辛は食べらんないけどね」  流石にそこまでの激辛は無理だ。  でもそのブート・ジョロキアと言う奴はちょっと試してみたい気もするが…… 「そうなんだ。 俺甘い物得意じゃないから、甘い物の話しは分かんない」 「分かんないって割りに貰ったクッキー美味しかったけどね。 俺あれ好き!!」 「それは良かった。 けどあれは父親の受け売り」 「なるほど……」  なんでも正直に話すので、面白い。  メッセージや電話でやり取りはしていて面白い子だとは思っていたが、実際こうやってじっくり話してみると想像以上に楽しい子だ。

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