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二人の距離④

 食べ終わった後はまたドリンクバーで飲み物を入れるのだが、叶芽は早速複数の飲み物を混ぜて見た。 「…………」 「流石にあんなもん混ぜちゃったらそうなるよね」  明らかに混ぜたら不味い物を混ぜてしまった叶芽は飲み込めずに固まっていた。  それがまた面白くて渚は爆笑していた。  注いでしまったからには頑張って飲み干し、お口直しに今度はアイスコーヒーを飲んだ。 「もう、ナギが変なこと教えるから!!」 「俺のせい? 普通に考えてあれ美味しいと思ったの?」 「思った…… 意外と美味しそうと…… 結果不味かった」 「ぷっ、アハハハハ 面白すぎるんだけど…… カナちゃん可愛すぎる……」  叶芽の斜め上の言動が渚にはツボで、見ていて飽きないなと思った。 「俺は面白くない……」  そう口を尖らせる姿がまた可愛らしい。  楽しいひとときだが、そろそろ2時間くらいここに滞在している。  あっという間に時間は過ぎる。  あまり遅くなるのも良くないので、お開きにする事とする。  本当はもっと一緒にいたかった。  2人とも後ろ髪を引かれながら会計へと進んだ。 「今日は俺奢るよ」  渚がここは自分が払うと言うが叶芽も自分のは自分で払うと譲らない。 「今日は俺から誘ったわけだし、ね?」 「でも……」  きっと渚は自分が払うと譲らないだろう。  叶芽としては佑真であれば気兼ねなく払ってもらうが、彼相手には気が引ける。  でもこのままではレジの人も迷惑だろうから、今回は彼の言うことを聞く事にする。 「じゃあ次は俺が払うから」 「うん。ありがと」  渚はにっこり笑ってスマートに2人分を支払った。  彼としては自分から誘ったのに叶芽に支払わせるのは嫌だった。

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