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友達とは……①

 叶芽が何処で誰といたのか気になる千歳。  あんまり根掘り葉掘り聞かれるのは面倒くさい。 「本当にただの友達だし、俺だって高校生なんだからこれくらいの時間まで遊ぶなんて普通でしょ?」  男子高校生なら別におかしくない。  しかし千歳の顔は余計に険しくなる。 「ほう……親に口答えか…… いいだろう、その喧嘩買ってやる」 「んん?なんでそうなんの? 俺別に喧嘩売ってないけど!?」  少し意見を言っただけなのにそんなにキレる事だっただろうかと叶芽は戸惑い焦る。 「まぁまぁ千歳、落ち着きなよ。 叶芽だって遊びたい年頃だよね、分かるよ。」  見かねた父、麻人が2人の間に割って入る。 「麻人、お前は叶芽を容認するのか?」  不満気に千歳が睨む。  それを麻人は諌めながら叶芽へ視線を向ける。 「僕はね、別に叶芽どうしようが勝手だと思うし、遊びたいのは分かるよ。 分かるけど、お前の場合Ωと言う事もあるし、少々能天気な所があるからトラブルに巻き込まれかねないんだよ。」 「………」  トラブルと言う言葉にドキリとした。  それと自分はそんなに能天気ではないと思う。 「心配なんだよ、お母さんは…… ね、千歳」 「……そうだ」  心配だと言う言葉に少し心が痛んだ。  下手に誤魔化すと余計に心配かけてしまう。 「でも大丈夫だよ、他校の人だけどいい人だから」 「他校?」  この際正直に話そうと思った。  街へ遊びに行ったときに男に絡まれた所を助けられたと話すと両親は案の定怒っていた。  千歳に至っては警察を呼べと絡んできた男らを断罪する気満々で、麻人は取り敢えず落ち着こうかと宥める。 「と言うことだからもういい? 宿題やって風呂も入んなきゃいけないし、オカメさんとも遊んでやんなきゃ」  そう言ってそそくさとリビングを離れた。

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