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二人の関係性⑤

「今日はごめんね。 騒がしかったでしょ?」  唯人だけでなく他の弟妹も叶芽に興味津々で煩かった。  いつもより叶芽が大人しかったので、きっと引いたんじゃ無いかと心配だ。  もっと自分がちゃんと対応すれば良かったと後悔する。 「まぁ俺一人っ子だから兄弟が沢山いるとこんな感じなんだって色々面白かったよ。 びっくりしたこともあったけど」 「や、ホント、ごめん……」  なるべく彼を家には連れていかないようにしようと渚は思った。  叶芽はと言うと、率直な感想としては5人兄弟なのにリビングが自分の部屋より狭いのに驚いた。  正直に言うと、プライベートが無さすぎて落ち着かないなと思った。 「でもナギって凄いね。 家事も全部やってるんでしょ?」 「まぁ両親働いてるしね。 俺がやるしか無いもん」 「凄いね。俺多分無理…… うちの母親も家事出来ないし」  叶芽の母、千歳も家事は大の苦手で全て家政婦に任せている。  彼に任せると家はめちゃくちゃになるので父が絶対にやらせないようにしている。  その息子である自分もきっと無理だと諦めているので、最初から手を付ける気は無い。  そもそもやる必要が一切ない。 「カナちゃんはほら、存在してるだけで癒しだから、いいんだよ」 「何それ、なんか俺ダメみたいな奴じゃん!!」 「違うよ、褒めてるの」  彼の良さは周りを笑わせてくれるところだと思う。  実際渚は彼といることで笑顔が増えたと思う。  彼に対して友達以上の感情が芽生え始めている。  それがどう言う感情かはまだ理解出来ていない。  出会って日が浅いせいもあるだろうが、他人と本気で接した記憶が無いからかもしれない。  この感情がなんなのかを理解する日は来るのだろうか………? 「今日はありがとう」 「こちらこそ、サンドイッチ美味しかった」 「ホント?じゃあ今度またカナちゃんの為に作るね」 「やった!!じゃあ激辛な何かを」 「ははっホント好きだよね激辛。 OK、じゃあ辛いもの用意しとくね」  そう言って別れた。

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