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二人の関係性⑧
「ナギ?
まだ具合悪い?熱は?」
叶芽が渚の額に手を当てる。
「熱は無さそう……」
「うん、もう大丈夫だから………」
ボーッとしていた渚に熱があるのではとではと心配する叶芽に渚は目を反らした。
心配してくれているのに自分は何彼を性的な目で見ているんだと戒める。
渚は取り敢えずリビングへ戻ろうとベッドを出て立ち上がると、少し目眩がした。
「やっぱまだ寝てた方がいいんじゃ……」
「大丈夫だよ。それにもう眠れないし」
叶芽が心配する中リビングへ移動し、先程いたソファーに座った。
正直まだ帰宅出来る程身体は回復していないので、もう少しだけここに留まらせて貰うことにした。
「ごめんねホント」
「いいよ。いつもナギに助けて貰ってるしたまには……
て言うかバイトだとか家事だとかで疲れてるんじゃない?
こうやって俺とも会ってるし」
絶対に疲れは溜まっている筈だと叶芽は思う。
「あ~て言うかさ、カナちゃんってご両親は何してる人なの?」
ここへ来てからずっと気になっていた。
どう考えても一般庶民とは違う。
「え~何って……父親は経営者?
母親は専業主夫……いや今はΩ用の首輪販売してるのか……」
「経営者?」
「ん~……家電とかの会社?
俺は継ぐ気無いってか無理だから興味無いし、よく知らないけど」
家電とかと聞いてふと気付いた。
叶芽の苗字は『柊』だ。
その柊が名前が付いた家電メーカーは自分の知っている限り一つしかない。
「柊グループ……」
「ああ、なんかそんな名前……」
やはりそうか……
自分の記憶が正しければ家電だけではなく、ITやロボット産業なども日本海外の子会社を所有するなど、日本でもトップクラスの大企業だ。
そこの社長の息子が叶芽と言うわけか?
こんな金持ちのお坊っちゃまとは思わなかったので、とんでもない子と親しくなってしまったなと冷や汗が出る。
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